後輩の心得
ボクの体重は5.4kg、うり姐さんは3.3kg...って書くとその差が分かりづらいから10倍してニンゲンスケールで比べると僕が大人の女性の平均で、うり姐さんは小学4年生の平均に近いのかな?
それほど体の大きさに差があるんだけど、ボクがうり姐さんの隣に座る時は、いつも頭を下げてボクの方が小さく見えるように気をつけているんだ。
うり姐さんはみかんのように狼藉を働くことはないけど、時々機嫌が悪い時にはネコパンチをお見舞いされることもある。
でもボクは無抵抗でされるがまま。
だって、うり姐さんは我が家のボスで、ボクは一番後輩だからね。
お膝でナデナデ
ネコベッドは快適だけど、やっぱり一番気持ちが良いのはかーちゃんのお膝。柔らくて暖かくて、かーちゃんのお腹に近いポジションをゲットすると、もれなく優しいナデナデしてもらえるんだ。
ボクとみかんがお膝に載ってると、うり姐さんはどこかに行っちゃうので、ちょっと申し訳ない気がするけど、この気持ち良さを体験してしまうと...うり姐さん、ゴメンなさい。
ただ、かーちゃんのお膝に載るにもボクなりのこだわりがあって、みかんは どんな時でもピョンと乗ってスヤスヤ眠りにつくけど、ボクはブランケットをかぶってる時にしか乗らないことにしてる。
だって、万が一直に乗ってボクの大きな爪でかーちゃんの足にキズを付けたら大変だろ?
それがボクのこだわり。
ネコベッド
これまでずっとダンボールのベッドだった我が家に豪華なペット専用ベッドが届いた。
かーちゃんの友達が飼ってるミニチュアダックスちゃんのために買ったんだけど、胴が長過ぎて入り切れなかったそうで、かーちゃんがもらって来たんだ。
ボクらネコにちょうどいいサイズだし、内側はフリース張りだし、床にはアルミフィルムと中綿がたっぷり入ってるから、メチャ暖かいんだ。
当然ながら一番乗りはうり姐さんに譲って、姐さんが飽きたところでボクが入る。
うーん、コレはスッバラシイ!
みかんがバタバタと走り回っても、ここに入ってれば踏まれる心配もなく安心して眠れるんだよね
でもね、一番嬉しいのは...うり姐さんと一緒に入ってゴロニャンと甘えられること♪
最初は迷惑そうにしてたうり姐さんだけど、ボクの体温が姐さんより少し高くって一緒だとあったかいことが判ってからは、ボクが入れるスペースを空けて待っててくれたりする。
このベッド、サイコー!
癒しの伸し餅
ボクが飼い猫になって2年が経った。
とーちゃんはボクの目を通してこのブログを書き始める時、一人称を何にするかとても迷ったらしい。
ボクが腹ペコで行き倒れた時、ボクは“おいら”って感じだったんだって。
かーちゃんも痩せこけて他人を寄せ付けない雰囲気からボクを”ジロー”って名付けたわけだし。
でも、飼い猫になって、うり姐さんやみかんと暮らすうちに丸々と太って(体重も1.8kgから5.4kgになった...笑)、真っ白になって、穏やかな性格になって...今は“ボク”が一番似合う、そんなネコになった気がするんだ。
ニンゲンもネコも生まれ持った性格よりも環境が大切なんだなぁ...とーちゃんはいつもボクをナデナデしながらそう言って笑う。
ボクはボクの命を救ってくれたこの家族のために、ほんの少しでも恩返し出来たら良いなって...このポーズで癒しを提供してるんだ。
お日さま燦々
台風が来るとサンルームは雨戸とシャッターとインナーレインシェード(とーちゃんの手作りなので雨漏りするらしい...苦笑)で窓も天井も塞がれて真っ暗になる。
もちろん2階のベランダは出入り禁止だし、ボクらネコはリビングで寝てるしかないのでツマンナイんだ。
台風が通り過ぎて青空が戻って来ると、とーちゃんが全部開け放ってくれるのを待ってボクらは大急ぎで日光浴するためにサンルームへと向かう。
ボクらにとって日光浴はとても大切な習慣。
ビタミンDを身体の中で作って、栄養の吸収を高めたり、免疫力を上げたりするのはもちろん、実は夏毛と冬毛の生え変わりにも大切な意味があるんだ。
ボクらはカレンダーが読めないし、スマフォもないから、家の中でばかり過ごしていると、気温や日照時間の変化が分かりづらいんだ。
でもサンルームでお日さまを浴びていると、温度やお日さまの角度を感じることで、その狂ってしまった体内カレンダーがリセットされて、年に2回の”換毛期“を逃さずに済むってわけなんだ。
え?毛の生え変わりなんてない方がお掃除がラクだって?
かーちゃん、それは主婦っぽいの考え方(笑)
テレパシー
そんなわけで、みかんのばあちゃん好き好き大作戦が成功して、とーちゃんたちは旅行に出発した。
ボクたちはと言えば、美味しいカリカリと清潔なトイレでいつも通りの食っちゃ寝の暮らし。やっぱり「イヌは人に、ネコは家につく」って言葉は正しいと思うんだ。
とーちゃんが若い頃は海外に出ると、旅先から国際電話をかけない限り連絡を取る方法がなかったけど、今はいつだってSNSで連絡がつくので、ばーちゃんも何かわからないことや不安なことがあればすぐにスペインのかーちゃんと連絡し合ってた。
そうそう、うり姐さんに聞いたんだけど、ちーちょ兄さんは超能力があって、旅に出たとーちゃんたちが何をしてるかを何となく判ったらしいんだ。
とーちゃんたちが屋久島に10日間の旅に出た時、ちーちょ兄さんは9日目までエサを食べなかったんだけど、どうして9日目に食べることにしたの?ってうり姐さんが聞いたら、ちーちょ兄さんはこう答えたんだって。
『とーちゃんたちが家に帰り始めたからさ。』
とーちゃんが獣医さんに尋ねたら、ちーちょ兄さんがエサに口を付けた時刻ととーちゃんが鹿児島行きの高速船に乗った時刻がぴったり同じだったそうだ。
ま、そこまでじゃなくても、ボクらもかーちゃんが帰って来るのは何となく予感があって、みかんと一緒に玄関で正座して待ってることが多い。
どれぐらい前からだって?
う〜ん、日によって違うけど、かーちゃんのクルマのエンジンの音にとーちゃんが気付く10分ぐらい前かな?
クルマで10分って言えばかーちゃんがスーパーから出る頃だから、ニンゲンからすればボクらも超能力があるってことになるのかもね。