アオバズクさんのお話
春から夏になって、2階のベランダで過ごすことが多くなった。
これまでは両開きのスクリーン式網戸が入ってたんだけど、ボクら3匹が下をすり抜けて何度も出入りしてるうちに壊れちゃって、とーちゃんがカーテンタイプでマグネットで閉まるのに取り替えてくれたから、前よりずっと出入りが楽になった。
でも前より隙間が多いのかな?虫が入ることも多くなって...ボクらは室内で虫捕りを楽しめるようになって嬉しいんだけどね。
ここで過ごしていると、まるでノラネコに戻ったみたいな開放感があって、風を感じられて、鳥さんや虫さんと触れ合うことも出来る。もちろん前の道路を歩いてる人に話しかけられることも多くて、1日があっという間に過ぎるんだ。
夜になるとまん丸なお月さまがボクらを照らしてくれるし、星空は綺麗だし...そうそう、今夜は鳥さんなのにうり姐さんにそっくりなアオバズクさんが北の国から戻ってきた。
彼とはノラネコ時代にカエルやトカゲを奪い合ったライバルで、良くグチを聞いてもらった友達なんだ。
『おっ、ジロちゃん、久しぶり!それにしても太ったなぁ〜!』
まだ奥さんが到着してないから、アオバズクさんもヒマだったのか、ベランダの目の前の電柱のてっぺんに留まって、ホッホー、ホッホーって鳴きながら、北の国からのアドベンチャーの話を聞かせてくれた。
ボクなんて、サンルームからちょっとだけ外に出るだけで、不安で怖くてすぐに家に戻りたくなっちゃうのに、アオバズクさんは何千キロも飛んで、海を渡ってロシアとかまで行けちゃうんだもんな。
ホントに尊敬しちゃうよね。
男の中のオトコってのは、アオバズクさんみたいな人...じゃない鳥のことを言うんだろな。