ウナギ

大事件だ。
今日、サンルームでのんびり日向ぼっこしてたら、窓の外に黒いネコがやってきて、ボクらに向かってシャーシャーと威嚇してきた。
とーちゃんによれば、最近このご近所をウロウロしてるノラネコで、とーちゃんは"のらくろ"、かーちゃんは"ドロンジョ"って呼んでいるらしい（笑）。

一応、ボクはこの家でたった１匹のオスなので、窓越しに威嚇してくるのらくろに立ち向かって追い払う義務がある。でもオトナのオスの迫力ってスゴくて、歯をむき出しにして網戸に突撃されると、思わずヒイッ！って後ずさりしてしまう。

どうやら狙いはみかんやうり姐さんのようで、1日に何度もやって来て、すんごい声で目障りなボクを威嚇してくる。

網戸に顔を押し付けて、ボクの顔めがけて連続ネコパンチ。とーちゃんが"ペットディフェンス"に替えてくれたおかげで、のらくろのネコパンチで網戸にはキズ一つ付かないけど、それでも怖いことに変わりない。

夕方、僕がサンルームの窓枠で居眠りしてたら、突然のらくろが目の前にいてビックリ！ボクの鼻先にいきなりネコパンチ10連発で攻撃してきた。隣にみかんがいて『ジロちゃん、がんばれ！』って励ましてくれたので、ボクは勇気を振り絞って、網戸をぐいぐい押してるのらくろの鼻をめがけて、渾身のネコパンチ（もちろん爪出し）を一発だけお見舞いした。

キュイン！ドスン！
悲鳴を上げたのらくろが窓枠から吹っ飛んで、デッキの上に背中から落っこちた。
えっ？当たった？のらくろは大慌てで逃げて行った。

『ジロちゃん、すごいでしゅ♪』
みかんが褒めてくれた。
『あ"っ、ぺ、ペットディフェンスが破れてる！』
とーちゃんが泣きそうな声を上げた。

『ジロー、おまえ、すんごいパンチだったな。のらくろのパンチではビクともしなかったのに、おまえの一発で穴が開いちゃったよ！』
あ、とーちゃん、ゴメンなさい。

その後ものらくろ（その後、平たくて長いしっぽがウナギ犬に似てるってことで"うなぎ"に改名された...笑）はみかんやうり姐さんにちょっかいを出しに時々やって来るけど、ボクの姿が見えると全速力で逃げるんだ。

別に威嚇したりネコパンチしたりしないんだったら、ボクは来てくれても平気なのに。
ノラネコの世界は上下関係がキビシイから、そんなわけにはいかないみたいだけど。